封建時代のヨーロッパでは戦争するためには理由が必要だった。かならずしも正しい理由でなければならないという意味ではないが、ともかく何かの理由無しでは開戦できず、家臣の支持も得られなかった。戦争を正当化する理由のことをCasus Belliと言った(大義名分としてきたけど面倒なのでCBで統一しよう)。
戦争に勝つか負けるかは口実とするCBの種類に依存する。どんな戦争であれ口実にできるCBは一つだけなのでもっとも都合の良いものを選ばなければならない。蛮族侵攻CB以外の休戦期間は10年である。休戦は当事者だけに適用される(休戦を結んだときの当主がどちらか死亡すると解消される)。また休戦義務があるのは攻撃側だけである。
領有権の主張CB
自分自身か家臣がCBをもっていれば、それに基づいて戦争を始めることができる。ひとつの領地に対して複数のCBを自分自身が持っている場合、それらをまとめて主張(し開戦)できるが、他の人物(家臣のことか)が持っている場合には一つの戦争につき一人分しか主張できない。
主張戦争に勝てば自分か家臣のうち主張していた人物がすぐにタイトルを手に入れる。家臣が手に入れた場合プレイヤーはその家臣からの評価100と威信100を手に入れる。引き分けた場合は威信-100、負けると-200とCBを失う。(以下、威信のプラスマイナスは省略)
de jure CB(合法的CB)
他の独立勢力によって支配される公領か伯領の一部を手に入れたばあい、その勢力が支配する一つの伯領や郡にたいするde jure CBを手に入れる。もしその勢力が複数の伯領や郡を持っていたとしても、あなたが主張できるde jureなCBはひとつだけである。王国と帝国はde jureなCBの対象とならない。戦争に負けてもde jure CBは失われない(公領、伯領をすべて失わない限り)。威信は失う。
法の変更CB
王権と継承法をかえるCBがいくつかある。具体的には継承法にかんする四つと、王権を低いものに変える場合のひとつである。最初の四つは自分の主君に対して用いることができる。王権は一段階上の階層にしか要求できない。たとえば自分がボヘミア王の臣下であれば、神聖ローマ皇帝に対して王権の変更を要求することができない。戦争に勝てば法を変えさせることができる。
独立CB
自分が誰かの臣下であれば独立のために戦争を起こすことができる。戦争に勝てば独立し、主君が王か皇帝であれば王権が一段階下げられる。
主君を退位させるためのCB
自分の主君を退位させるために戦争を起こすことができる。ただし他の家臣がその主君を引きずり下ろそうとしていたり、主君がその上の主君に刃向かっていたり、独立戦争が起きていない時に限り。戦争に勝てば主君を退位させ、もっとも好みの後継者に後を継がせることができる。退位するのが王や皇帝であれば王権は一段階引き下げられる。
下克上CB
誰かに仕えているばあい、主君を打倒しタイトルを奪うことができる。戦争に勝てばタイトルを奪うことができ、打倒された主君が王か皇帝であれば王権は一段階引き下げられる。その元主君が他のタイトルを持っていた場合、彼の後継者に譲られる。
継承権異議CB
自分が主君のタイトル請求者(たぶん2番目以降の継承権者)であるか、家臣に請求者がいれば、継承権について異議を唱え(、戦争を始め)ることができる。勝てば主君の地位を継承することができる。王や皇帝の場合は王権がいっこ下がる。白紙和平はできず、負ければ監獄に放り込まれる。
侵攻CB
王位(タイトル全般のことか)に対する請求を持っているか、対象の領邦よりも(おそらく自領が)小さく、かつ教皇が侵攻を黙認するなら侵攻CBを使うことができる。勝てば王位と威信と占領したすべての所領(プロヴィンス)を手に入れることができる。
蛮族による侵攻CB
プレイヤーは使うことができない。モンゴル軍団などが使う。基本的に侵攻CBと同じで休戦期間は1年。
十字軍CB
教皇が十字軍を命じた場合に使うことができる。占領した領土と威信、信仰を得ることができる。
宗教戦争CB
もし異なる宗教のグループの中にいて、目標が異教なら宗教戦争CBを使うことができる。占領したすべての土地を奪うことができる。
破門CB
同じ宗派に属していて破門された人物に対して宣戦できる。勝てば相手のランクに応じて威信と信仰を得、相手は支配者の地位から追われ破門は解かれる。
CBを得る方法
CBのいくつか(独立CBや法変更要求CBなど)は「立場」から自動的に生み出される。そのほかは意図的に作り出すことができる。一番簡単なのは領有権の主張(claims)である。
- 領有権のねつ造。公位には(外交スキル)15以上が必要。王位以上にはこの手は使えない。
- 領有権を継承できる人物と結婚。その人物との子供がもつCBを利用する。
- 一族の誰かを領有権を継承できる人物と結婚させる。その子供を利用。
- 領有権を持つ人物を招聘する。
de jure CBを作り出すのは簡単。他の勢力の領地にまたがる公位を創設するか奪えばよい。破門CBは教皇から気に入られていれば簡単だが、領邦を拡大するには役立たない。しかし名声を得るにはちょうど良い。キリスト教の異端に転向すれば実質的に全世界に対して宗教戦争CBを得られる。異端に転向する最も簡単な方法は対立教皇を擁立すること。これにより教会の道徳的権威を損なうことができる。道徳的権威が低いほど異端は広まりやすい。だが異端のデメリットは強烈である(異端に転向していない家臣の評価-30、反乱リスク増加)。
補足:CBそれぞれ効果が異なる。たとえばde jure CBで他の伯を屈服させても(相手がそのプロヴィンスしか持っていないなら)封臣になるだけで、直轄地として手に入れることはできないはず。