Vic3, ver1.2時代の経済

Vic3が発売されて記事を書こうと考えていたら4ヶ月くらい経ってしまった。Vic3初の記事はver1.2で大きく変わった経済システム+αです。

ゲーム経済には意図はわからなくもないけど賛否両論ある大きな変更が加わりました。それからも度々調整が入っているので正確に仕様をつかめていないところもあります。

この記事はBloggerに投稿した記事を手直ししたものです。

自律的な民間投資

ver1.1以前の民間投資(*)は、貴族や資本家が一定の額を国(投資プール)に納め、プレイヤーが特定タイプの施設を建てるときに、その建設費相当が投資プールから国庫に移動することで表現されていました。投資というよりは目的税として集めた金を補助金のようにプレイヤーが受け取るようなものですが、ゲームシステムと調和させるためにそんな感じにした理由はわかります。しかし経済システムを変えても補助される施設タイプが変わるくらいで、経済システムの違いはプレイングにあまり影響を与えませんでした。
(*民間投資と呼んでいますがこのゲームでの投資はすべて民間によるもの。POPが出したお金でAIが施設を建設することです。なので投資の対の概念は政府による建設です)

これを変えたいというのが開発チームの長期的な目標。ver1.2で導入された自律的な民間投資システムでは、

  • 建設力が経済システムで定められた割合で政府用民間用に分配される。例えば建設力が200あれば、伝統経済では75%が政府用、25%が民間用に割り当てられるので150/50となる。干渉経済では100/100。一方で使いきれず余っている分はもう一方で利用できます。
  • 民間用の建設力でなにが作られるかはAIが決める。建設の費用(鉄などの購入費)は国庫を経ず投資プールから直接支払われる。建設費が投資で賄えないときは民間の建設は止まる。
  • 投資プールは民間建設の支払いに当てられるようになった分、プレイヤーが建てているものには支払われなくなった。
  • 経済システムによっては投資プールへの上納にボーナスが付くので、税金として徴収して政府が建設するより効率的かも。しかしGDPが巨大な国では投資にマイナス補正がかかるのでそうでもないかも。
511/511は総建設力と使用中の建設力。民間/政府の配分は表示されないのでわかりにくい。
下から見ていって、再投資は投資のこと。まぎらわしい。
新規資材は建設費としての支出のこと。その差し引きが週間変化
いまは投資プールに余裕があるが、プール分がゼロになると投資(再投資)の範囲でしか民間建設が行われなくなる。

プレイングにどんな影響があるか

建設力が分散されるので開始直後に限られた建設力で重要な施設を揃えたいシーンで時間がかかるようになりました(ベース建設力5のみのときには民間建設は始まらないようです)。その代わり早い段階からPOPの資力を利用できます。

中盤以降は自動拡張のオート版と考えればまあ付き合えなくもないです。ただ施設をあちこちに乱立するので施設リストが激しく間延びする。また生産方法を調整するのはプレイヤーなのでその面倒さもある。

もう少し深掘りして考えてみる

建設力の配分の上限は決まっていますが、実際に使用する割合は変動します。どの経済システムを使っていても、政府が一切建てなければ民間が建設力を100%使えるし、民間に十分な資金がなければ政府が100%に近い割合を使うことになります。これは特に資本家POPが育っていない序盤で起きます。そのせいで政府の収支が乱高下しやすい。

レッセフェールを採用した場合は減税して建設は民間に任せるほうが良いのか?実は投資は各施設の利益から源泉徴収されるため増減税の影響を受けません。またレッセフェールによる資本家と貴族の投資ボーナス(拠出した額が1.25倍されてプールされる)もGDP規模に伴うマイナス係数に比べれば小さい(GDP1000Mで0.6倍)。

つまり民間投資を十分に生かせるのは、GDPがあまり大きくないが資本家が育っている西洋の中小国か、人口が多すぎて徴税力が全く足りていないインドや清、序盤のオーストリア、トルコあたりということになりそう。封建的な貴族社会のインドや清でレッセフェールを採用できるのは中盤以降ですが……
GDPが700Mを超えたあたりでは司令経済にしたほうが良いかも。

バランスを考えると超大国の独走を難しくするために建設力の規模ペナルティでもつけたほうがいいと思いますが、そのくらいはすでに検討されてそう。

他の欠点

民間建設AIはすでにキューに入っている施設やインフラは考慮しますが、それ以上の戦略性がないので、建ててほしくないところ、たとえば住民をすべて鉛鉱山で働かせたい州にもいろいろ建てます。

また何らかの理由で雇用が行われない施設でも生産物の価格が高いと平然と増設します。この辺はいずれ調整されるかも。趣旨は面白いのですが、欠点も多く、気に入らなければゲームルールの設定で1.1以前の仕様で遊ぶことも可能です。

経済以外の変更点

  • 日本語訳がかなり洗練されました。表示が狂っていたり意味が破綻していたところも8割以上正しくなっています。
  • 動乱状態の州では建設が大幅に遅れるようになりました。布告での鎮圧や警察の重要性が増しました。
  • 奴隷解放しても貴族層は奴隷制度への欲求を失わなくなりました。内戦で奴隷主義者を打倒したほうが早い…ように思えましたがそうでもなかった。奴隷制やその他の争点で内戦に勝っても自動的にその法律が通るわけではないため。
  • 外交プレイ(新しい訳だと外交戦)ができない場合、その理由があるていど明示されるようになりました。
  • 外交プレイで撤退した場合に飲ませられる要求(一次要求)を増やすことができるようになりました。つまり戦争の脅しで複数の州を割譲させることが可能になりました。
  • 軍の装備を変えた場合、いままではどの装備でも-75%の懲役1年が厳しすぎましたが、主装備が-80%、その他の装備なら-20%(いずれも1年)と調整されています。
資源マップ。これは鉄。以前は表示できなかったはず。

leave a comment